『夜の上海』

平日の午前中ということもあってか(そう思いたい)、お客さんは私と友人を合わせてもたったの3人だった・・・。『アバウト・ラブ』でも6人だったのに・・・。私が体験した今までの記録、トヨエツの『八つ墓村』の4人を更新しましたっ!・・・ってそんなのどーでもいいですよね。
多分観に行かれる方も少ない気がするので(コラ)、この際ネタバレ感想行っちゃいます。感想なんて人それぞれですから、こんなのもあるという事でよろしくです。
以下、思いっきりネタバレだよ〜ん。





この映画、評判がよろしくないんですよねぇ。主演のモッくんからして「金返せだとか、こんなはずじゃなかったとかあるとは思いますが・・・」と舞台挨拶で言わなきゃならなかったほどですからねぇ。なので全然期待せず、むしろ「面白くないんだろうな」と思っていました。それでも観に行ったのは、出番は少ないながらもビジュアル◎のつかもとくんが出演していることと、モッくん他のキャストも好きだったから。出来はどうでも、美しいつかもとくんを大画面で観られて、自分の好きなシーンがひとつでもあればいいかな?って。こんだけ期待してなきゃ、「あら?思ったより良いじゃん!」だろうと。
そんな期待値ゼロで観て来た感想は・・・

残念ながらやっぱり評判どおりだったかなぁ(おぃ)。中途半端というか、所々良い場面もあるんだけど、それが何かに繋がるかっていうと別に・・・。全体的にボヤけてしまってる感じがしました。

そして何だかみんなあんまり綺麗に映ってないの。つかもとくんでさえ思ったより美しくない(プン)。もちろん綺麗よ。でもちょっとちょっと!もっと美しいでしょ!?って感じ。おまけにセリフを言うと、何だか全員お大根に見える。非常に残念な事につかもとくんと西田さんのシーンが特に・・・。演技だってもっともっとみんな上手いはずなのに。あぁ、だから綺麗に見えないのかなぁ。何だか魅力的に思えないんだよね。
なんでかなぁ。撮り方?演出?それともセリフが悪いの?(え?全部?)もったいないよ〜。ようつべで見たあのセクシーなつかもとくんは気のせいだったの?あのシーン、あるにはあったけど、受ける印象がもう全然違ってた。あー、ちなみにキスには至りませんでしたよ、あっさり拒否られます。
一番「?」だったのは、公式サイトにあるコピー。

上海を舞台に、偶然の出会いを果たした男女が、言葉の壁を乗り越えながら恋に落ちていくロマンチックなラブストーリー

主人公の2人に関しては、そんなんでは全然ありません。これはどう考えても違うでしょう。どうしてこんなコピーになったのか理解できないなぁ。
「“仕事に少々疲れ、恋人とも行き詰ってるカリスマヘアメイクアーティスト”と、“片思いの彼に失恋してしまったタクシードライバー”が、一晩中タクシーで右往左往する間に、それぞれの恋に答えを出せる」ってお話だったと私は理解しております。どう見ても2人の恋愛ではないよー。サイドストーリーは恋といえなくもない?のかな?でもアシスタント役の和田さんは、お互い英語で話して意志の疎通は出来てたしねぇ。う〜む。



美帆(西田さん)は水島(モッくん)の恋人であり仕事上でも有能なパートナー。龍一(つかもとくん)は、恋人がいると知ってて、美帆に片思いしてる年下の青年。美帆が上海まで仕事に行くと知り勝手についてきて、勝手に水島をライバル視しているらしい。
何かすべてに謎が多くてね・・・(ぼそっ)。
美帆が仕事が出来るように見えないし、龍一もついて来るほど美帆から相手にされてないし。番宣でストーカーと紹介されても強く否定は出来ないかも。てか、長期の仕事でもなさそうなのに、なんでわざわざ休み取ってついてきたの?煮詰まってるとはいえ、水島と美帆はエージェントがホテルも同じ部屋を取ってくれるほどの公認の仲なのに、なじぇ?

水島に至っては仕事が終わった後、財布も携帯も持たず、右も左もわからない上海の夜の町を1人出歩くんだよ。途中、リンシー(ヴィッキー)の運転するタクシーにぶつけられ、派手にボンネットに飛ばされたにも関わらず、無傷な鉄人水島。その水島をむりやり自分のタクシーに押し込んで観光に連れ回すリンシー。自分で連れ回しておきながら、急用ができると別のタクシーを呼んで、乗り換えろという身勝手さ。事故ったんだから当然サービスかと思いきや、それまでの代金を請求して、無一文と知るや怒る怒る。でもそんな酷い対応にも、怒るどころか平謝りの天使のように優しい水島。おまけに今日泊まるホテルも全然覚えてない。最後によく着いたよねぇ、ホテル。もう朝だったけど・・・。

他の人たちのサイドストーリーもあるけど、これといって・・・。竹中さんなんて、いつものハイテンションをずっと保ち続けるキャラだったし。あれはああゆう演技を要求されたんだろうね。気の毒に。
美帆曰く「私の周りに普通の人はいない」って言うとおり、確かにみんな普通じゃなかったです。

って言いたいこと言ってるけど、じゃあこの作品は嫌いか?っていうと、そんな嫌いでもなかったなー。ちょっと不思議な水島が私は好きだったし(やっぱりモッくんはカッコイイよ)、リンシーはボサ髪でもキュートだった。リンシーの片思いの君ドンドン(ディラン・クォ)はもこくん似でカッコよかったし。
一番感情移入できたのは、リンシーの失恋。ドンドンと携帯で話してる途中、突然明日結婚すると言われ、返事も返せないくらいのショックを受けるリンシー。これはちょっと前のことを思い出し胸が痛みました(違うだろ)。でもこの切ない気持ちはグっときたし、それを言葉はわからなくても理解して、悲しげで優しい目をして見てる水島も素敵だった。そして水島から教わった日本語で、ドンドンに告白するまでの一連のシーンはよかったなぁ。ラストで結婚式に出席するリンシーを美しくしてあげる水島。でもひと目見て「き、綺麗〜!!」って思うくらいの変身だったら、もっと良かったかと・・・。
はぁ〜、ちょっとスッキリしたかな。これでも随分いいとこ探しながら観たんだけどなぁ。でもまぁ「こんなはずじゃなかった」とはちょっと思わないでもなかったけど、「金返せ!」とまでは思っておりませんので、モッくん、安心してください(1000円だったしね)。


逃亡〜!!