『人のセックスを笑うな』


松ケンファンの友人に「絶対観たいっ!行こっ!!」と誘われ観て来ました。後から知ったけど、とても評判がいいんだね。単館上映だけど大ヒットとか。


でもねぇ、私にはおもしろさがよくわからなかったなー。

主演はユリ役の永作博美ちゃんと、みるめ役の松山ケンイチくん。キャストはこのお2人の他にも蒼井優ちゃんや忍成くんと、好きな俳優さんばかり。演技もみんな素敵だった。音楽も好き。

それぞれのキャラクターも魅力的だったと思う。自由奔放な「ユリ」もすごく可愛いし、「ユリ」に夢中になる「みるめ」(変わった名前よねぇ。名前もわかりにくかったなぁ)もとても可愛い。恋する楽しさや切なさが本当に可愛い。その「みるめ」が好きなのに気づかれず、もがいている「えんちゃん」(優ちゃん)も可愛いし、「堂本」(忍成くん)もいいんだなぁ


じゃあ何がおもしろいと思えなかったんだろう?

まず長いんだよね。あと遠くからの引きで撮ってる長回しが多くて、ゆっくりした時間というよりタラタラ進んでいく感じに、最後の方は眠くなってきちゃった。これは映画館の暖房が効きすぎてたのも理由の一つかもしれないけど。遠すぎて状況がわかりにくいから想像で補ったり(せっかくの伏線となるエピソードもアップじゃないからよく見えない)。それとセリフが聞き取りにくかったなぁ。

そして一番は勝手気ままというか本能に忠実というか、気まぐれなユリは現実離れしすぎていて、感情移入できないんだよねぇ。夫がいても関係なし。「付き合っちゃいけない?だってみるめ君に触りたかったんだもん」ときたもんだ。絵のモデルを頼まれたらヌードだったり、後から夫がいるって知らされたり(それも悪びれた様子もなく当然のように)、突然仕事を休んだり、急に旅に出ていなくなったり。恋するみるめは振り回されっぱなし。そのみるめを好きな故に勝手に振り回されてるえんちゃん。そのえんちゃんにビックリさせられる堂本くん。出て来る人がみんな芸術家肌(ユリはリトグラフをやってるアーティスト、みるめたちは美大生)だから、個性的で不思議な人ばかりなんだろうかと思うしかなく(偏見?)。

優ちゃんがインタビューでユリについて「“理解も共感もできないけど好き”というタイプ」と答えてたけど、本当にその通り。現実にはありえない。これは男性の理想?それとも女性の理想なのかも。


何か終わりがあるわけでもないし、盛り上がるわけでもない。
そして何故このタイトルがついたのかもわからない。
おもしろくなかったと言いながら、こんなに長々書いているのは、やっぱりどこか気に入ってるんだろうか。

不思議な映画。