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短編だったこともあり、サクサク読めました。
イヤな女がいっぱい出てきたなぁ。ここまでじゃなくても、「いるいる、こういう人」って感じ。でもイヂワルなヒトって大っキライなので、イライラしながら読んだ話も多かったな。
一話目の「目立とう精神」。憧れの高層マンションに住むことができたものの、そこでの人間関係といったら…。少々見栄っ張りで自慢したがりのわりに、気弱な主人公もあんまり好きになれないけれど、ここに登場するリーダー格の主婦が、ちょっと前のドラマの杉田(かおる)さん演じる奥さんを思い出させました。表題作の「イジ女(メ)」はホラーチック。そして最後8話目の短い書き下ろしが、それぞれの後日談のようになっています。



私は以前社宅を転々としたけれど、こんなに高圧的な奥さんに出会ったことはありませんねぇ。ヤな人は確かにいましたけど。


あ〜、思い出したわ。


引越したばかりのある社宅での出来事。
お隣の奥さんからリンゴをたくさんいただいたので、奥さん同士で集まった時に、アップルパイを焼いて持って行きました。そしたら後日、ちょっと仲良くしてたある奥さんから、「お茶を飲みに来ない?」って私だけ誘われてお邪魔したんです。すると突然、「ルビーさん、この前アップルパイを焼いてきたでしょう?でも私思ったの。せっかく新鮮なのに、アップルパイにしちゃったらリンゴがかわいそうって。私は煮リンゴにしてヨーグルトに入れるのが大好きなんだけど、かわいそうで煮リンゴにするなんてできなかったわ」と言われ、しばらくの間彼女の言ってる意味がわからず、目が点になったことがあります。
要は「そんなあなたは無神経だ」と言いたいんでしょうね(どっちが無神経だか)。これを書いてても腹が立ってきたわ(プンスカ)。もちろん後ですごくムカついたんだけど(こういうのってその場よりあとでムカつくのよね)、とりあえずリンゴをくださった奥さんに「○○さんから言われるまで全然気づきませんでした。アップルパイにしたことで、もし気を悪くされたならごめんなさい」ってお詫びの電話をしたら、「えぇ?私はおいしく食べていただければどういう風に使ってくださっても嬉しいわよ〜。それにアップルパイおいしかったし。そんなの気にしなくていいわよ」と言ってくださり(内心そう言ってほしかったんだけど)、少し気がおさまったのでした(悪いけど負けないわよ)。


結局それを機会に、リンゴを下さった人と仲良くなったんだけど、後で別の人から「○さん(リンゴをくれた人)にルビーさんを取られたって△さん(リンゴがかわいそうと言ったヒト)が言ってたわよ」と言われ、「何のこっちゃ?」と。自分であんなことを言っておきながら、さっぱり意味がわかりません。でも取られたっていったい…何?

ほんと、世の中には色んな人がいるもんですねぇ。多分私がアップルパイを焼いていったことが気に入らなかったんでしょうけど、それでいったい何がしたかったのか。今思えば力関係をはっきりさせておきたくて、釘を刺したつもりだったのかも。