『さくらん』

『さくらん』オフィシャルガイドブック

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やっと観に行けました。もちろんレディスデーでございます。春休みとはいうものの、ガラガラでした。巷では評判良さそうだったので、ちょっと期待して観に行ったんですけど・・・う〜ん、まぁまぁだったかなぁ。映像は評判通りとても綺麗。「下妻〜」や「松子」の中島監督みたいなのかなぁ?と思いきや、全然別の艶やかな世界が作られてました。



長いのでたたみます。基本、ネタバレなしで。



着物やかんざし、ふすまや障子、布団、花まで、売り込みどおり、すべてが極彩色でゴージャス。専門的なことはわからないけど、金魚と真紅と水色が、効果的に使われてました。椎名さんの音楽もよかった。
土屋さん演じる「きよ葉(のちに花魁になってからは日暮(ひぐらし))」は、べらんめぇ口調のハスキーボイスが、まるで「まちゃまちゃ」みたい(笑)。演技も上手い!っていう感じではないので、セリフが入るとちょっと・・・。でも表情はよかったかな。特に泣くときの表情はとっても良かったです。
器量よしの設定だったけど、実際あの時代だったら、あの顔立ちは敬遠されてただろうなぁと。でも、着物の柄から髪型、つけまつ毛バサバサの化粧、花など、多分すべてが時代考証は無視なんで、いいんですけどね。でもやっぱり美しさでは、菅野さんにかなう人はいませんね!色っぽさも1番だったし。
木村佳乃さんの間夫役が永瀬正敏さんだったんだけど、木村さんのヅラのせいなのか、はたまた永瀬さんのお顔が小さすぎるのか、やたら木村さんのお顔が大きく見えちゃって、せっかく愛しい人への愛情を表すシーンだったのに、入り込めなかった(苦笑)。永瀬さんといえば、別のシーンでキョンキョンが出ていましたよ(関係ない)。
日暮の間夫は成宮くん。小間物問屋の若旦那?がとても似合って、相変わらず色っぽかったです(苦手ですけど)。
「濃い顔」と思ったらゴリだったり、「かわいい笑顔」と思ったら小栗くんだったり、色んな人がチョコチョコっと出てました。
で、安藤くんですよ。きよ葉を見守る優しいまなざしが素敵でした。安藤くんて大画面では、「スペーストラベラーズ」くらいしか見たことなかったんだけど(ごめんなさい)、素敵な存在感がありますね。とてもいい役だったし、最初から最後まで出番も多いんで、ファンは必見かも。
あとのキャストも良かったですけど、夏木さんのメイクとキャラは女将というより、遊郭の遣り手婆*1みたい(笑)。あと太鼓もちもいたらよかったのにねぇ。
廓が舞台というと、どうしても暗く悲しい感じになるのが多いんだけど、これは暗さがなくて観やすかったのがよかったかな。湿っぽさがなくて。でも、ストーリー的にはあまり大きな山も感じられず、ちょっと残念。極彩色の豪華な衣装やセットの、映像美で見る映画って感じでした。

追記

これは原作がコミックということですけど、廓が舞台のコミックといえば、石ノ森章太郎さんの「さんだらぼっち」。これはもう名作中の名作だと思ってます。すごい好きだった〜。こんなマンガが好きだったなんて、随分マセてたんだなぁ(苦笑)。でも、本当にいい作品です。

*1:元遊女で、客との交渉役