ミステリーはお好き?
何十年来の付き合いの「ハヤカワミステリ文庫/アガサ・クリスティ」。この赤い文庫がうちの本棚を2段以上(ざっと70冊)占めてます。他に新潮文庫版と創元推理文庫版も少々あり。
単に趣味のお話&長いのでたたんじゃいます。
私の持ってるのは、ほとんどが大好きなポアロシリーズ*1とミス・マープルシリーズ。この2つのシリーズは全部持ってるはず。
独身時代からの年代ものなんで擦り切れてたり、中には表紙が破れてボロボロの本も。これは赤ちゃんだった長女の手によって、このような悲惨な姿になったと記憶。
そろそろ読み返してみたいけど、昔の文庫は字がかなり小さく、今読み返すにはちょっと・・・(悲)。
しか〜し数年前、「クリスティ文庫」として装丁も新たに早川書房から刊行されたのです。活字も昔に比べれば大きく読みやすそう。ちょうどいい機会なので買い換えていこうかなと思い、まずは一番被害の酷い「ヘラクレスの冒険」を先日買いました。
ホントは一度にドドンと買いたいものだけど、なんせ最近の本のお値段ときたら・・・。
文庫とはいえ、あなどれませんよねぇ。なので、毎月1冊にしておこうかな・・・と。
この作品は引退を控えたポアロが活躍する、オムニバス形式の短編12編が収められています。
ミステリー好きといってもいろんなジャンルがあるので、私は何でも好きというわけではありません。
一番好きなのは、事件の手がかりがすべてフェアに読み手にも示されている、いわゆる本格推理といわれるもの。
そしてその中でも、「フーダニット」と呼ばれる「だれが犯人か」を推理する作品が好き。
最後に「え〜!?まさかこの人が犯人?」と裏切られるのが大好きなんですよね。
クリスティにはいつも裏切られっぱなし。
あと今はもう亡き、日本のクリスティと言われた仁木悦子さんが大好きでした。
特に“雄太郎と悦子”の兄妹探偵のシリーズがすごく好きだった。シリーズものって安心して読めるからいいです。また、子供が主人公のお話もとても得意とされてる方でした。
かなり古い作品になると、今ではトリックとして成り立たないものもあるんだけど、事件を起こすために作られたような不自然さは微塵もなくて、動機とか方法とかトリックとかが納得できるんですよねぇ。そして登場する人物も、みんな普通で魅力的。
また伏線の張り方といい、そしてあの気持ちのいい「え?もしかして?あ〜、そうだったのかぁ。やられた〜」っていう読後感といい、まさに私好み。
大団円を迎えた後の「あの時のあの言動、あの行動はこのためだったのかぁ」って思い出すあの感じ。ミステリーって散りばめられたパズルが、最後にピッタリはまった瞬間のようなあの感じがたまりません。
最近ありがちな、トリックに固執しすぎて「理論的には可能かもしれないけど、そんなの現実にありえんだろう」とか、「動機はない。ただ罪を犯したかった」っていうストーリーには、最後にがっかりさせられますねぇ。今の世の中、確かにそういう事件も多いけど、そんなのフィクションでもノンフィクションでも納得できないわ。
とだらだら自分勝手に書いちゃいました。
最近話題になっている人気作家のミステリーもほとんど読んでいないので、これからの季節ぜひ読みたいと思ってます。
秋の夜長にミステリーなんてぴったりですから。
追記
仁木悦子さんの全集について今調べたら、文庫本未収録の作品が私の持ってない全集の中にあるのを知ったよ〜。欲しい〜!でも高い〜!!
文庫と新書は全部持ってるんだけどなぁ。この全集のうち今持ってるのは、雄太郎と悦子が活躍する「仁木兄妹」の長編と短編の4冊。こうなるとみんな揃えたくなっちゃうなぁ。この全集は装画が安野光雅さんなんだよねぇ。そこも素敵です。
この前も「天然コケッコー」の文庫版に、単行本にはない書き下ろしが1話入っていると知って、あわてて探しまくって手に入れたところ。もう〜、本ってこういうことがよくあるからあなどれないよねぇ。
で、ボヤボヤしてると絶版になったりするしね。
- 作者: アガサ・クリスティ,田中一江
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/09/16
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- 作者: 仁木悦子
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