コンプレックス



この前両親と会った時のこと。
私はその日このバレッタで、暑い日定番の髪をアップにしてたんだよね。それを見た母が、「あんた色気のない髪留めしてるわねぇ。お風呂入るときに留めるようなヤツじゃないの」と一言。
私はもともとゴチャゴチャしたデザインが好きではなくて、シンプルなのが好き。だからいっつもべっ甲みたいなのとか、黒いのばかり。
でも母に色気がないと言われちゃなぁ(苦笑)。母は昔から今も変わらずとてもオシャレ。だから言われても仕方がないんだけどね。

この母には小さな頃から思春期頃まで、私はかなりのコンプレックスを持っていたの。
私と母は全然似ていない。私はそう、間違いなく父親似。母は宝塚顔というか、顔の中のすべてのパーツが大きく派手。すべてこじんまりとしたパーツの私とは正反対。小さな頃からずっと、会う人ごとに「綺麗なお母さんねぇ」と言われ続けてきたし、自分もそう思ってきた。そしてその後必ず「お父さん似?」と聞かれて気の毒そうな顔をされる私。
参観日などでクラスメイトから、「綺麗なお母さんねぇ」と言われる事は子供心にもすごく嬉しくて、母に来て欲しかったし、みんなに見て欲しかった。そんな自慢の母である反面、全然似ていない私は「綺麗なお母さんねぇ」と言われるたび、「それに比べてあなたは全然可愛くないわね」と言われているようで悲しくもあったの。

でもそれも少し大人になり、母のような派手な顔が好きな人ばかりじゃないとわかるようになった頃から、そのコンプレックスはなくなっていった気がする。

そして私は初めて会った人に「おんなじ顔〜!」と指をさされて笑われるくらい、下の娘とそっくりだったんだけど、今年になってから上の娘に似てると言われるようになってきた。
私は母にあんなに似たいと思ってたのに、娘達は母親に似てると言われるとちょっとイヤそうな顔をする。失礼じゃないの?でも顔って年齢と共に段々変わっていくよねぇ。イヤでも何処となく似ちゃうのが親子なのかしらね。


そんな昔の事を思い出す、母の一言でした。