『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』


観てきちゃいましたよ〜。
もともとホラー系は苦手で、映画館でもレンタルでも見ない私。だからこの映画も「なんか流血に次ぐ流血でスゴイらしいよ」とか、「殺されてパイにされるんだって」と聞いてたので「げっ!」と思いつつも、「ジョニー・デップは好きだし、ティム・バートン監督だからちょっと観たい気もするし。『スリーピー・ホロウ』は大画面で観ても大丈夫だったしなぁ」なんて思っていたところを友人から誘われたので、少々不安になりながら観に行ってきました。

オープニングからセピア色の暗い映像の中で、流れる血の色だけが鮮やかで。そう、あれは封印をする時に使う、溶けた真っ赤な蝋のような…。この鮮やかさが返って血のイメージからは遠く感じ、ただ坦々と観ていました。えぇ、最初は…。


以下、ちょっと「うっぷ」な表現ありなのでたたみます。









でもね、物語中盤からの繰り返される殺戮の残酷さには…。何の罪も無いお客たちが、ヒゲを剃るために差し出した無防備な喉をかき切られていく恐ろしいシーンの連続に、直視する勇気のない私はうす目でやり過ごしましたよ(ブルブル)。そしてトッド(ジョニー)がペダルを踏むと、理髪店の椅子の死体が地下まで一気に滑り落ちて、グシャっとなる様が私には一番恐ろしかった。だってそこは階下にあるパイ店の…(ひぃぃ)。

「いつ切られるの?今、ねぇ今?」と終始ドキドキ。心臓に悪いよ〜。
この作品はミュージカル仕立てになっているんだけど、時おり入る歌がどれだけ救いになっていたことか。それがなかったら観られやしませんて。映像はティム・バートン監督らしく、美しかったですけども。

と言ってるわりにはそれ関係のシーンさえやり過ごせば、意外に平気でした。ラストに皮肉な結末も用意され、中断されたような終わり方だったけど、このエンディング、私は好きです。エンドロールが始まってすぐ退席しちゃったので、もしかして最後の最後に、若い2人のその後が一瞬描かれたりしたのかも…な〜んて思ったんだけど、何もなかったようですね。
人間の愚かさや悲哀を感じる残酷な映画だったけど、私は嫌いじゃありません。なかなかおもしろかったです。でも多分2度と見ることはないだろうなぁ。


これを観て食欲を失くしたという方が多いみたいですけど、私と友人の3人は全然平気でおいしくご飯を食べて帰りました。どんな時も失うことのない飽くなき食欲!(だから痩せないんだよ・涙)

やっぱうす目にして直視しなかったのが良かったのかなぁ(違)。