『チーム・バチスタの栄光』

「このミス大賞受賞作でベストセラー」ということで、「こりゃ、おもしろそう」という思いから原作本を買ったんだけど、映画化されたのを知り、結局先に映画を観ることにしたんですよね。

成功率６０％と言われる心臓手術「バチスタ手術」の専門集団「チーム・バチスタ」。奇跡的に２６連勝の成功記録を伸ばしていたが、突如三例続けて術中死が発生。果たして事故なのか、殺人なのか。

不本意ながらも代打で内部調査をすることになった、外科とは全く縁の無い不定愁訴外来（通称グチ外来）の田口医師（竹内結子）。チームの１人１人に聞き取り調査を始めるんだけど、なぜ全員動物に例えるの？それもイラスト付きで（いえ、大好きですけども・笑）。この田口センセイのポワンとしたキャラと、途中から現れる、デリカシーのカケラもないイヤーな厚生労働省のお役人、白鳥（阿部寛）のコンビがおもしろかった。阿部ちゃんってほんとにこういう役が上手いよねぇ。出てくるだけで笑っちゃうもん。あとアメリカ帰りの天才外科医であり、チームリーダーの桐生医師（吉川晃司）がカッコイイ〜。

医療ミステリーだけどコメディ要素も高く、心臓手術の現場が描かれて緊迫するはずなのに笑いもたくさん散りばめられていて、かなり楽しめました。「バチスタ手術」の説明も、上手いこと田口センセイと共に理解できるようになっているし、手術シーンもとってもリアル。再鼓動が来るかどうかのシーンでは、毎回ハラハラ、ドキドキで思わず一緒に祈ったもの。

ただミステリーとしては、見ている側のほとんどの人は医療の専門的な知識がないため、謎がわかりにくいと思うなぁ。あぁ、だから目線を同じにするため、探偵役は外科には素人の田口医師が当たってるんだね。でも公式で流れてるような「この謎を解くのはあなた！」とはいかなかったかな。専門的なことになると説明を聞くしかないので謎解きには参加できず、どうしても置いてきぼりな感じ。

それでもどんでん返しもあるし、解く気満々の本格ミステリーと期待せず気楽に見れば、充分おもしろいしよくできた映画だと思いました。やっぱり原作を読まずに観たのがよかったのかも。原作は田口センセイも男性みたいだしね。

さて、次はいよいよ原作を読もうかな。