『ぐるりのこと。』

“ぐるりのこと”*1
―自分の身の周りのこと。または、自分をとりまく様々な環境のこと。


観て来ました。
今日はレディスデー。それもあってでしょうけれど、ほぼ満席でした。
そしてとてもいい映画でした。


どこにでもいるような夫婦のお話。
きっちりした性格の妻、翔子(木村多江)と、だらしなくて頼りない夫、カナオ(リリー・フランキー)の約10年間を描いてます。

木村さんはもちろん、他のキャストもよかったんだけど、何といっても夫役のリリーさんがよかったなぁ。女性にだらしなくて、生活力がなさそうで頼りない…そんなカナオがあまりに自然すぎる(笑)。
でもこのカナオがすごくいいんです。すっかりリリーファンになっちゃうくらいいいんですよね。なにがいいかって、力の抜け具合とか、飄々とした佇まいとか…全部がよかった。子どもを亡くしたことで精神のバランスを失っていく翔子を、逃げもせずしっかり受け止めるカナオ。その夫婦の姿がとてもいいです。素敵なセリフがいっぱいあったなぁ。そしてそれを乗り越えていく。

カナオの職業である法廷画家という仕事を通して、この間に起こったいくつかの衝撃的な事件の裁判の様子も描かれるんだけれど、これも考えさせられました。法廷場面でのキャストの演技もすばらしかった。


夫婦っていいなぁ。


観終わった後そんな風に思いました。

夜中にふと目を覚まして心細くなり、手探りで隣に寝てる人の手に触れると、そっと握り返してくれる瞬間のような。それで安心してまた眠りにつける、そんな絶対的な安心感とか信頼感が夫婦の中にはある気がする。

私にとってはそんな映画でした。



おまけ

  • ただちょっと下ネタが多すぎ。
  • 裁判長の役でサンメー*2のパフェオヤジが出てた。
  • そして翔子の兄(寺島進)の嫁が、同じくサンメーでウェイトレス役の安藤さん。出番多いしなかなか良い味出してたなぁ。
  • 翔子のお母さん役の倍賞さん、ラスフレのお母さんと少々カブリぎみ。
  • 八嶋さん(わが家ではHERO以来、チビの人と呼ばれている)、いつもと全く同じキャラだった。
  • さねいえさん(違)も登場。