ビール!ビール!



この前買った陶器のビアグラス。
これによく冷えたビールを注ぐと、ガラス製のグラスに比べ、なんだかとってもキメの細かい泡になるような気がする。見るからにおいしそう。
でも私はビールって好きじゃないんだなぁ。だって苦いし、そもそも炭酸が昔から苦手。


たとえばお風呂上りの一杯。私だったらビールより麦茶の方が嬉しい(子どもか)。お酒は全然飲めないわけではないし、特別な日には乾杯もしたい。でももし世界中からお酒というものがなくなったとしても、私は一向に困らないな。
飲んでるうちにだんだんボンヤリしてきて、思考能力が働かなくなる、あの酔った状態も好きじゃない。そう、「ほろ酔いかげん」っていう状態。
お酒好きな人はそこも好きなんだろうなぁ。そういう人を見るのはちょっと色っぽくて素敵かもしれないけれど。もう少し飲むと、そのうち動悸がしてシンドくなってくるし、眠くなる。
たぶん、酔って自分がわからなくなったりするのが一番イヤなんだと思う。醜態を晒すなんてことになったら、それこそ一生後悔しそう。
そう考えると、すごく人目を気にしているのかも。


でも飲みに行くのは好きだし、あんまり飲まなくても盛り上がれる。2人でも大勢でも、話を聞いたり、話したりするのが大好きだし、みんなが飲んでる横でもっぱら食べてるから平気。だから誘われたら喜んで行っちゃうんだけど(もちろん相手によるけど)。



そういえば随分昔のことだけど、職場の同期(女性)と、それぞれの知り合いの男性2人の計4人で仕事の後待ち合わせて飲みに行ったことがある。
初めて行ったチェーンの居酒屋だったけど、確かとても混んでいて、大きなテーブルに4人横並びで座った。向かい側には学生らしいグループが飲んでいて、もうかなり出来上がっている様子で結構な騒がしさ。
「学生はいいわねぇ」と思って見ていると、その中になんだか見覚えのある男子がいて、目が合った後お互い「あぁ!」と思い出した。
それは中学時代の同級生だった。「久しぶりだね」と少々ろれつが怪しくなった口調で彼が言い、「今さあ、△大学の大学院に行ってるんだ」と聞いてもいないのに、難関国立大の院生だという近況を教えてくれた。どうもそこの仲間たちと飲んでいるみたいだった。


この人は中学生の頃とても絵が上手くて、一度美術の課題で自画像を描いたことがあったんだけど、それがあまりにそっくりだったのでとても驚いたことを覚えている。絵が上手いだけじゃなく、確か成績もトップクラスで運動部のキャプテンでもあり、生徒会長もやっていた。
だから大学名を聞いても大して驚きもしなかったし、酔っているとはいえそんなことを人前で言うくらいなんだから、自信に満ちた人生を送っているんだろうなぁと思った。
そしてこちらに連れがいるにも関わらず、「今から2階に移って飲むんだけど、こっちで一緒に飲もうよ」と言うので、その失礼さに少々面食らいながらも、まぁ酔ってる人の言うことだから…と流し、お断りすると「じゃあね」とふらつきながら2階へ上がって行った。


すると一緒に来た男性の一人が「あー、気分が悪い」と言い出し、かなりのご立腹。どうしたのかと思ったら、私にはよく聞こえなかったんだけど、同級生は「こっちで一緒に」の前に、どうも「そんなオジサンと飲んでないで」と、とても失礼なことを言ったらしい。ご立腹の男性だけが4つほど年上で(あとは3人とも同い年)、実をいえば同期の彼氏。おまけにファッション関係の仕事をしているため、とてもオシャレ。だからいくら相手が酔っていたとはいえ、おじさん呼ばわりされて(ヒゲは生やしていたけど)気分が悪いに決まっている。別に私が悪いわけではないんだけど、結果的に同期にもその彼氏にも嫌な思いをさせてしまい、なんだか申し訳なかった。


私の出身中学は相当なマンモス校だったので、未だ同窓会の話すらないため(もしかして私だけ誘われてないのかも…)、その同級生ともこの時以来一度も会っていないけど、今は自分が正真正銘のオジサンになってどんな生活をしているんだろう。それなりの社会的地位に着き、今も自信に満ちた人生を送っているんだろうか。
少なくともこの日会ったことなど覚えてはいないだろうなぁ。



すっかり忘れてたのに、ビールの話題で急に思い出した。
何かの予兆だったりして…ね。