重力ピエロ


重かった。
描いているものはとても重いのに、観終わったとき、重苦しさや悲壮感はありませんでした。
それは原作だったり、脚本や演出、映像や音楽が良かったんでしょうけれど、何といってもキャストの力が大きかった気がします。
みかんさんが言われるように、本当にこのキャスティングをした人はネ申ですね。映画を観た後は尚更そう思います。
キャスト全員が役をまっとうしてる、そんな感じ。

特に主演の兄弟2人はすばらしかった。加瀬さんの穏やかだけど揺るぎない存在感と、岡田くんの清潔で透き通るような美貌。この二人だからこそ成功してる気がします。


私は原作を読まずに観たんだけど、もっと違う結末を想像してました。もっとこう、すっきりとした安堵感を感じるような結末を。
ところが物語が進んでいくうちに、お気楽だった私の期待はことごとく裏切られ、嫌な予感ばかりが的中していく。そしてラストは…。



映画が終わった後もいろいろな想いがあふれてきて、エンドロールが終わるまで立ち上がれなかったんだけど、結局誰一人立ち上がる人はいませんでした。
まさしく最強の家族を描いた映画でした。