八日目の蝉 

■第1回


職場の同僚秋山と不倫、そして妊娠。「妻とは別れる、だから今回は…」という秋山の言葉を信じ、泣く泣く子どもをあきらめたのに、別れる気配がないどころか、秋山の妻も妊娠していたことを知り愕然とする希和子。
意を決して妻に「別れてください」と直談判するものの、堕胎したことを最低と言われ、深く傷つく。そして更に追い討ちをかけるように、その時の予後が悪くて二度と子どもの産めない体になってしまい絶望する。そこへ秋山の妻から、お腹の赤ちゃんのエコー写真がファックスで送られてくる。
そして1年後。希和子は、秋山家の生後半年になる赤ちゃん(薫=恵理菜)を連れ去ってしまう。


もちろん一番悪いのは秋山だけど、でも希和子の方もはっきりいって自業自得。そのうえ誘拐だなんて、あまりにも愚かで罪深い。なのに妻よりも希和子の方に同情的になってしまうのは、演じるのが壇れいだからという理由も大きいかも。綺麗なのにどこか幸薄そうで、つい守ってあげたくなるような希和子を好演してます。薫=恵理菜を抱き上げた瞬間、あの時あきらめた、希和子の中の母性が目覚めてしまったのかなぁ。
そして5年半の逃亡生活が始まるわけなんだけれど、1話の最後で成人した薫=恵理菜が登場し、逃走劇と平行して現在の様子が描かれるのも興味深い。
薫=恵理菜は秋山家で暮らしていた。腫れ物を扱うようにどこかよそよそしい態度の両親。
そして薫=恵理菜は父に言う。妊娠していると。「相手の人はお父さんみたいな人。父親になってくれない人」と。希和子と生活した5年半のことは記憶にないはずなのに、なんて皮肉な現実。
どうやって長い間逃亡していたのか。逃亡生活にどう終止符が打たれたのか。希和子は今どうしているのか。
気になります。



ところで、秋山家も相当裕福みたいだったし、希和子の生活レベルも高くて、どちらもなんだか生活感のない部屋だったなぁ。快く泊めてくれた同級生の康枝の家が一番現実的だった。



■第2回


服役中の季和子が薫=恵理菜に宛てて手紙を書いてるシーンから始まった第2回。
やはり服役していたんだね。でもこのときは1999年。薫=恵理菜が11歳の頃。
そして時は遡り…。

テレビのニュースで自分の起こした事件が報道されているのを知り、慌てて康枝の家を出るも当てもなく、子供の頃住んでいた名古屋へ向かうことにした希和子。そこで知り合った、ゴミ屋敷(部屋の中はそんなに酷くはなかったけど)に住むおばさんにお世話になる。この人から謎の宗教団体?エンジェルホームのことを聞き、その施設で生活してる人に連れて行ってもらうんだけど、途中で見た新聞にはすでに自分の顔写真が…。
ゴミ屋敷に住んでいるおばさんも、エンジェルホームの人たちも、それぞれ悲しい過去を背負っていそうだし、どこも胡散臭くて謎めいてる(特に朝の体操)。ホームでリーダー的存在のサライを演じる高畑さんがいつもと真逆なキャラで、ちょっと怖かった。
入居のための審査で、自分が一番欲しかったものがわかった希和子。それは家族だった。
それにしても、あんなに胡散臭くて怪しい施設なのに、教祖である通称エンジェルさん藤田弓子)が登場したとたん、急にほのぼのしちゃうから不思議。すごいね藤田さん。でもあの名づけはいったい…。
一緒に入居審査に合格した久美といい、随所に女の悲しさが詰まってるようなドラマなんだけど、なぜか惹かれるし、先が気になります。
全6回というのも長すぎなくていいなぁ。