「告白」


原作は文庫になってから、速読のごとく読みました。
いや、速読なんてできないけど。
そのぐらいの気持ちで…読み飛ばしぎみに一気に読みました。


映画になったと聞いて、すべて独白で構成されている小説だけに、どんな風に映像化されているんだろうと興味はあったけど、あまり見たいとは思いませんでした。
はっきりいってこういう後味の悪い、遣り切れない結末は好きではないからです。
特にイジメとか、子どもを溺愛する親とか、暴力とか、すべてわかったような生意気な子どもとか、少年犯罪とか、そういうものがすべて嫌いだからです。
綺麗ごとを言ってるのではなくて…そう、もし自分が森口先生のような立場だったとしたら、ああいった復讐はありえないけれど、同じように犯人のことは絶対に許しません。
例えばこれが殺人ではなく虐めだったとしても、私は絶対に許さない。どんなことをしても虐めた相手を後悔させる。そんなある一線でキレる自分を自覚しているので、その感情に触れたくないんですね。たぶん。


結局誘われた上に評判が良かったので、観に行ったわけですけど、本当によく出来た映画でした。さすが中島監督、みごとなエンターテイメントに仕上がってました。
脚本も演出も、キャストの演技もすばらしいと思いました(最近の子役は本当にすごいね)。ただ救いも何もありませんが。
でも観終わった後考えさせられます。観たらお終いではなく、いろいろ考える。そこがいいんでしょう。



余談ですが…。
この映画が始まる前の予告に、「キャタピラー」があったんです。
それまでのん気に朝ごはんがわりのパニーニを食べながら見てたんだけど、これで一気に食欲がなくなりました。もう不快としかいいようのない予告編。
主演の寺島しのぶ表現者としてすばらしい女優だとは思うんだけど、あの生々しい演技が、私は大そう苦手であります。特にこの映画の役なんて、まさに嵌り役だろうね。世界的な映画祭で、最優秀女優賞を受賞しただけあるんだろうなぁとは思うんだけど、絶対に観たくない!
どうしてもこういうものから目を背けたくなっちゃうのよねぇ。
いい年をして、まだまだですね。