頭を悩ませている問題


それはおばあちゃん(姑)のこと。


二世帯住宅で同居しているおばあちゃんは、昔から家族にとって「困った人」なのだ。


まず人の気持ちがわからないので、心無い発言をしたり失礼な行動をとってしまう。


最近でいうと、ずいぶん視力の衰えてきた舅(89歳)の目の前で
「おじいちゃんはここに置いてあるものも見えないから、全部私が説明してやらなきゃ何もできない。おかげで私は自分のしたいことが何もできない」
と事あるごとに自分がどんなに大変かを訴える(おじいちゃんは高齢ではあるけど自分のことは自分でできるので、実際そこまで大変とは思えないんだけど)。
その度、隣でシュンとなるおじいちゃんが気の毒になる。
「そういうことはおじいちゃんのいないところで言って」と何度注意してもダメなんだよねぇ。


それもあっておじいちゃんが週1でデーサービスに行けるよう、私も骨を折ったわけだけど、行ったら行ったで「おじいちゃんがいない間にあれもこれもやらなきゃと思うから返って忙しい」と文句を言い出す始末。基本何をやっても不満と愚痴になるのだ。
「ゆっくりしてればいい」と言っても「やらなきゃ気が済まない」と言うし、「じゃあ、いったいどうしたらいいと思う?おばあちゃんはどうしたい?おじいちゃんが行かない方がいい?」と聞くと、「私のことはいいの。おじいちゃんが楽しければ」の一点張り。「自分が自分が」の人なので、どうでもいいだなんて絶対思ってないんだけど、自分が言ったことに対して責任を負うのが嫌だから*1文句は言っても意見は絶対に言わないんだよね。


そしてすごく間が悪い。
忙しい時に限って声をかける。「何で今?」といつも思うんだけど、いわゆる空気が読めないというヤツなんだろうなぁ。あまり空気ばかり読むのもどうかとも思うけど、おばあちゃんの場合は間が悪すぎ。

すぐむきになって大人げないし、みんなで大切な話をしてる時も突然何の脈絡もない話をしだすこともよくある。まわりは「???」となりそれがイライラへと繋がっていく。
そういうことが原因か、人とのコミュニケーションが苦手で友人もいない。
もう挙げればキリがないんだよね。



で、先週NHKの情報番組を見ていた時のこと。
大人も急増しているという発達障害ASD)を取り上げていたんだけど、最初は「まるでおばあちゃんみたい」と家族で話しているうち、「そうじゃん。これってまさしくおばあちゃんだわ」と改めて納得した。
娘の友人の中にもアスペルガーと診断された人もいるし、そこのお母さんとも昔から仲良くしているので、ASDについては知らないわけではなかったんだけど、ここにきてやっとおばあちゃんと繋がった。
そう、きっとそうなんだ!と(確信)。


そこで紹介していた特徴として


(1)人の気持ちが分からない(社会性の障害)
・自分の興味があることを(相手の反応に関係なく)話し続ける
・話の文脈と違う発言をする など

(2)こだわりが強い
・特定のことに深い知識を持つがそれ以外を知ろうとしない
・自分のスケジュールを崩されるのが嫌い など

確かに自分のスケジュールは何があろうと変えようとしないし、お金や計算にもすごくこだわる。
家事一つとっても洗濯の仕方や干し方、食器の位置、すべて決まっていて、少しでも違うと気に入らない。
他にも収集癖がある人が多いらしいけど、医療や年金関係などの領収書、紙袋などが山ほど溜めてあり、そのファイリング方法も独特で、周りには理解不能だけど本人だけはちゃんとわかっている。大切な書類は「何かあった時のために誰が見てもわかりやすくしようよ」と言っても頑として聞き入れないのだ。
そうそう、以前買い置きのラップがなんと40本もあって、義姉と驚いたこともあったっけ。



義姉といえばまだ子供が小さな頃(私も同居してない頃)、実家に里帰りしても家事をするのはいつも義姉だったらしい。大体はどこの母親も「いつも子育てで大変なんだから、実家に帰った時くらいゆっくりしてなさい」と言ってくれるものだけど、おばあちゃんの場合はとにかく自分がゆっくりしたいらしい(よって義姉はあまり帰らなかった)。


中でも一番「え?」と思ったのは義姉の出産時。
その頃私はまだ結婚してなかったので、後々おばあちゃんから何十回も聞かされることになる愚痴の一つなんだけど、もともと里帰り出産する予定だったのに予定日のかなり前に破水してしまい、受診していた病院で急遽帝王切開で産むことになった義姉。
なのでおばあちゃんが手伝いに行ったわけなんだけど、その時のおばあちゃんの話ときたら生まれた孫のことなど一切ふれず、入院中の2週間、いかに自分が大変だったかということばかり。「せっかく近くの病院を予約してたのに…」とか、「散々だった。もうこりごり」みたいな。
あまり何度も言うので、義姉自身も「次も多分帝王切開だろうから、もう私は子供を産んではいけないんだと思った」と言っていた。


これには呆れてしまったけど、それもおばあちゃんがASDなら納得できる。
でも「イライラしたりうんざりしても仕方がないんだ」と諦めることはできるけど、今度は逆に「じゃあこの腹立たしい気持ちは、いくら説明しても理解されることはないんだ」と思うとなんだか空しい。
これが血を分けた家族ならば、いえいっそ他人ならば、もう少しあたたかい気持ちで見守ることもできるのかもしれないけど、何といっても嫁と姑。
何もなくてもモメることが多い間柄だものね。
かといって今さら高齢のおばあちゃんを病院に連れて行って診断を受けてもあまり意味がないし。




昨日またちょっとしたことがあったので、おばあちゃんが買い物に行ってる間におじいちゃんといろいろ話をしてみたんだけど、おばあちゃんはやはり昔からそうだったらしい。おじいちゃんはそんなおばあちゃんが一人残ったら、みんなと上手くやっていけるんだろうかととても心配している。

「腹が立つとは思う。思うけどそこを何とか我慢して仲良くしてやってくれんかなぁ」と言うおじいちゃん。おじいちゃんの気持ちはよくわかるし、高齢のおじいちゃんに心配させたくないとは思うんだけど、実際それは私にとってかなり難しい。だっていくら親切を心掛けてもズドーンと落とされるという繰り返しなんだもの。
少し距離を置くことが一番かなぁと思うけど、おばあちゃんももう80代。
今より更にサポートが必要になってくるのは間違いない。



さてさて、どう付き合っていけばいいものか。

*1:何かあるといつも誰かのせいにする人なのでそう思ったんだけど、こういう風に聞かれるとどうしていいのかわからないだけなのかも